sox diary

sox diary

もう駄目だ。


 とりあえず変なことをしでかさないように、両手をビニールテープで縛った。
 でも体の前で縛ったから意外といろんなことが出来る。
 日記も書くことが出来る。
 あー。
 心臓の音がうるさい。
 うるさくて眠れない。
 息もたまに荒くなったりする。
 頭の中は飽和状態だ。
 ボクを排斥しようとするような幻聴の類と戦いながら、これからの立ち振る舞いをどうするか考えている。
 食欲はないし、食欲はこれからどうなるだろう。
 そもそも好意まるだしだった筈なのに、こんなことになるとは。
 仕事を続けられるんだろうか。
 もしも実家に帰ったら、音楽辞めてヒキコモリまっしぐらになるのは予想がついている。
 頭痛い。
 欲しいものは殆ど無い。
 やりたいことも、実際は殆ど無い。
 ただ教育はしてみたかった。
 でもボクは子供を作る能力に関して、全く自信がない。
 ボクが子供を作ったとしたら、その子はボクの遺伝子を引き継がなきゃならない。
 不憫でならない。
 与える側に回ってみたかった。
 稼ぐ側でなくて、与える側。
 ボクはその悲観性と自虐性から、ヒトに忌み嫌われることがとても多いけど、それでも明るく振る舞って、幸せ(もっと適当な言葉があると思うのだけど思い浮かばない)を与える側に回りたかった。
 それで、いろいろな挑戦をしたけど失敗に終わってしまった。
 そもそもボクみたいな不健康な人間が、与える側に回ろうとすることに無理があった。
 まず自分に幸せを与えなきゃいけなかった。
 それができなかったのは悲観性と自虐性の仕業かもしれないし、ボクがただ出来なかったと被害妄想で勘違いしているだけかもしれない。
 今夜は眠れないだろう。
 職場でも安息できないだろう。
 ボクは全部抱え込んでしまいがち。
 そもそも一緒に抱え込んでくれる存在がいないのか作らなかったのか自己責任か。
 全部自己責任か。
 どうやったらイイかな。
 どうしたらイイかな。
 「死にたい」は口癖じゃなくなっていた。
 でも今はそれがこびりついて離れない。
 あー。
 あんまりにもあれだ。
 好きだ。