12月と言うものが、巨大で奇妙な異物のような存在と思うようになったのは、何時からだったろう?
子供の頃には、途方も無い期待感を胸の奥に宿らせていたし、大人になってからはその期待感に、もっといびつで卑しい欲望の雲が、もたれかかっていって、それは年を経るに連れてより顕著になっている様に感じる。
12月ってのは、綺麗で汚くて、大袈裟に激しいのだ。
そして12月を12月たらしめているのは、他でもない人間なのだ。
単に、西暦という時間の区切りの最後に位置しているだけなのに、昔の時代から「師走」と呼ばれる程の大事なのだから、人間は自分らに対して滅法マゾヒスティックな存在なのであろう。
そんな12月が、あとちょっとでやってきてしまう。
この日の仕事は忙しくて、わが職場では暇と思われがちな土曜日なのに、帰りが遅くなってしまった。
ヘトヘトで帰ってきて、晩御飯を食べたらそのまま寝てしまったのだった。